2007年03月26日

僕と未来とブエノスアイレス

スペイン語系の映画ということで「僕と未来とブエノスアイレス」を借りてみました。
監督のダニエル・ブルマンはプロデューサーとしても活躍し、あのガエル・ガルシア・ベルナル主演「モーターサイクル・ダイアリーズ」の製作にも参加している方です。さては南米映画界の重鎮?そんなに年寄りでもなさそうですが・・・
僕と未来とブエノスアイレス
EL ABRAZO PARTIDO
監督:ダニエル・ブルマン
音楽:セサル・レルネル
脚本:マルセロ・ビルマヘール、ダニエル・ブルマン
出演:ダニエル・エンドレール、アドリアーナ・アイゼンベルグ、ホルヘ・デリーア
2005年 アルゼンチン
?u?G?m?X?A?C???X.bmp
<あらすじと感想>
アルゼンチン、ブエノスアイレスの下町にある多国籍なガレリア(商店街)が舞台。
主人公アリエル(ダニエル・エンドレール)は、学校を出たあと母の経営するランジェリーショップを手伝いながらなんとなくぶらぶらしている。
そして彼は退屈な日常から逃げ出したいという理由からヨーロッパに移住しようと計画中だった。
ポーランド系ユダヤ人の祖父母を持つ彼は、おばあちゃんに頼み込み、書類を揃えてポーランド大使館でパスポートを発給してもらい、「正真正銘のヨーロッパ人」としてまだ見ぬヨーロッパに暮らそうと考えていた。(当時アルゼンチンでこのようなヨーロッパへの回帰現象(?)が流行っていたのでしょうか?)
ある日、幼い頃に家を出たきりイスラエルに移住してしまった父が帰ってくることになり、父との対面を面倒くさく思う彼の現実逃避モードはますます強くなって行く。
基本的に「逃避体質」のアリエルは人生の全てから逃げている、平凡な毎日から逃げ、父親からも逃げ、母の愛情からも逃げようとする・・・まったく情けない彼が、長く不在だった父の登場で現実と向き合いはじめる様子が描かれています。
平凡な日常生活を小さなチャピターに分けて、それぞれに「ガレリア紹介」とか「ポーランド人になる」とか「ロシアの向日葵」などというタイトルをつけて紹介していくスタイルが新鮮。
感動的とは言いませんが、面白いアプローチの映画です。
自分が放棄した過去と向き合う為に戻ってきた父親役の俳優さんが素敵でした。
posted by Chica at 03:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月23日

サン・ジャックへの道

メジャーな映画じゃないから混んでいないだろうと思っていたのに、映画館は満員御礼。
なんとシスターも2名見に来ていました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅は日本でも意外と知られていることだったんですね。認識不足でした。
この映画を見て、まだ行ったことのないサンティアゴ・デ・コンポステーラへ私も行ってみたくなりました。

サン・ジャックへの道
SAINT JACQUES….. LA MECQUE
サンジャック.jpg
監督/脚本:コリーヌ・セロー
音楽 ユーグ・ル・バール 、マドレーヌ・ベッソン
出演:ミュリエル・ロバン 、アルチュス・ドゥ・パンゲルン 、ジャン・ピエール・ダルッサン 、マリー・ビュネル
2005年 フランス

<あらすじと感想>
舞台はフランス、仲が悪く疎遠な3人兄弟のピエール、クララ、クロードは遺産を相続するため、母親の遺言通りに3人一緒にル・ピュイからキリスト教の聖地サンティアゴ(フランス語読みだとサン・ジャック)までの巡礼をすることになる。
仕事人間のピエール、気の強い肝っ玉母さん教師のクララ、アルコール中毒で仕事をした事がないクロードという個性的な3兄弟に加えて、なぜかメッカに行くと信じているアラブ系少年や、女子高生などが参加する9名のグループ。
さまざまな思いを胸に個性的な面々がサンティアゴを目指して歩き出した・・・
サン・ジャック01.jpg
巡礼というのは不思議なものですね。
牧歌的で美しい景色を眺めながら大自然の中をただひたすらに歩き続けるという行為が人にとって癒しになると言うことを知りました。
とても面白くて暖かい人間関係再生の物語は、今年の私のテーマにぴったりでした。

脚本と監督は私の大好きな映画「女はみんな生きている」のコリーヌ・セローです。
彼女は本当に現在に生きる人間の孤独やエゴ、愛と優しさについて深く理解していると思いました。
人間の矛盾、弱さと愛おしさ、悲しさと滑稽さを巡礼というテーマをでさりげなく表現しているチャーミングな映画でした。
posted by Chica at 03:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月20日

キャロルの初恋

地元のツタヤにレンタルDVD(ビデオも)がなかったのですが、どうしても見たかったのでHMVでDVDを購入し、やっと見ることが出来ました。かわいい
キャロル役のクララ・ラゴちゃんとトミーチェ役のフアン・ホセ・バジェスタがとても可愛い!黒ハート黒ハート
良い映画だし、スペイン語の勉強にもなる(ハズな)ので何度も見ようと思っています。

キャロルの初恋 映画
EL VIAJE DE CAROL
監督:イマノル・ウリベ 
脚本:アンヘル・ガルシア・ロルダン/イマノル・ウリベ 
音楽:ビンゼン・メンディザバル
出演:クララ・ラゴ、フアン・ホセ・バジェスタ、アルバロ・デ・ルナ、マリア・バランコ
2002年 スペイン
carol.jpg
<あらすじと感想>
舞台は1938年、スペイン北部の小さな村。
アメリカで生まれ育った勝気で自立心旺盛な少女キャロルは母アウローラに連れられ、母の生まれ故郷であるスペインの小さな村へやって来た。バス
大好きな父は義勇兵として国際旅団に参加している為、ずっと会えないまま。
キャロルの母は地元の名士の娘でその昔、フィアンセを捨てキャロルの父親と駆け落ちしたという曰くがあったので、スペインへは初めての帰省だった。
かつてのフィアンセはアウローラの妹と結婚しキャロルと同年代の子供が2人いるが、彼は今でもアウローラを愛しているようす・・・保守的な小さな村で、キャロルの自由奔放で美しい母親の存在はとかく噂の的・・・と少々複雑な環境。

そんな環境の中で新しい生活が始まったばかりだと言うのに、母が突然亡くなってしまう。(実はアウローラは不治の病だったという設定)
一度は叔父の家に引き取られるが従妹達と差別される彼女は、自分で祖父アマリオに交渉して彼と一緒に住むことにした。家
母を失った悲しみの中、持ち前の気丈さで自分の環境をも変えていくキャロル、次第に地元の腕白少年達との交流が始まり、ガキ大将だが優しい少年トミーチェと仲良くなる。
スペイン内乱の中、名も知れぬ小さな村で芽生えた幼く牧歌的な恋の行方は・・・
そしてリベラル派の祖父や義勇軍に参加した父親の行方は・・・
猫
人生における「ある夏休み」とか「ある一週間」というのは二度と戻らない。
自分が過ごしている時には気が付かないが、過ぎてしまうとその時がいかに貴重な時だったかを知る。せつなく甘美な思い出として一生の宝物となる時間。ぴかぴか(新しい)
それがこの映画では見事に描かれておりました。

ツボだったシーンその1:アメリカ育ちのキャロルはトミーチェのことを英語風に「トミー」と呼ぶのですが、それが「気取ってる」と他の男の子達にはやし立てられるシーン。くすぐったいですね。
ハートたち(複数ハート)
その2:馬車に乗っている時におじいさんに動詞の活用を何度も治されるシーン。とてもヒトゴトとは思えなかったし、あんなにスペイン語がしゃべれるキャロルだって間違うんだから、仕方ないよね・・なんて慰められもしました。本

余談ですが、キャロル役のクララ・ラゴちゃんは現在17歳になっています。ネットで調べたらまるでデビュー当時のブリトニーみたいになっていてビックリしました。(ブリちゃんよりは知的な印象だったけど)
posted by Chica at 02:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月09日

かもめ食堂

映画館で期間限定の特別上映をしていたので、従妹と一緒に見に行きました。
女性向きな映画かなとは思いましたが、ゆったりとした時間の流れが心地良い作品でした。

かもめ食堂
ruokala lokki
監督/脚本: 荻上直子
原作:群ようこ
音楽:近藤達郎
出演:小林聡美 、片桐はいり 、もたいまさこ 、ヤルッコ・ニエミ 、タリア・マルクス 、マルック・ペルトラ
2005年 日本
kamome.jpg
<あらすじと感想>
舞台はフィンランドの首都ヘルシンキ、日本人女性のサチエ(小林聡美)は「かもめ食堂」のオーナーとして今日もお店でコップを磨いている。
ヘルシンキでこの食堂をスタートさせてから早1ヵ月、ウィンドウ越しに店内を見る人はいるものの、まだ誰一人として店内に入ってくる人はいない状態だった。

開店休業状態のある日、ついに記念すべきお客様第一号がやって来た。
彼は日本が好きな青年トンミ。
サチエは彼にガッチャマンの歌詞を教えてくれと言われるが思い出せない・・、お店を閉めた後も歌詞か気になって仕方なかったので、偶然街の本屋でみつけた日本人観光客ミドリ(片桐はいり)に「ガッチャマンの歌詞を知っていますか?」と声をかけてみた。
偶然が呼び込んだ人と人との縁、閑古鳥が鳴いていた「かもめ食堂」を通してのんびり、ゆったりと人の輪が広がっていく・・・・

凛として強い意志を持っている優しいサチエ役に小林聡美はぴったりでした。
片桐はいり 、もたいまさこ、そして「過去のない男」のマルック・ペルトラや他の登場人物もそれぞれに事情を抱えながら生きている人を自然に演じており全体的に落ち着いたトーンです。
心に何か抱えながら食堂に集まる人々の様子がなんだかいとおしい。
ヒトゴトじゃない親近感を覚えたりする人も多いんじゃないかと・・・。

私が何よりも気に入ったのは、サチエの着ているお洋服!
普段のコーティネイトに取り入れられそうな色合いやデザイン。
一見地味なのですが、実はお洒落でとっても素敵でした。
衣装を担当したのは誰なのかしら?
どこのお洋服か知りたいわ。(笑)
posted by Chica at 02:36| Comment(3) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月07日

MOZART & THE WHALE

ジョシュ・ハートネット主演の「モーツァルトとクジラ」という不思議なタイトルの映画をご紹介します。
(昨年末頃に「イカとクジラ」という家族の絆を描いた映画がありましたが、それとは無関係です。単なるタイトルのクジラつながり・・・)
さて、これまでジョシュ・ハートネットはそれほど好みの顔ではありませんでしたが、ブラック・ダリアとこの映画を見て、気持ちを改めました。
なんだかジョシュっていいんじゃない?という気分になっています。(笑)
ブラック・ダリアでは意外にもジョシュが筋肉美であることを発見、そしてこの映画では母性本能をくすぐられること間違いなしだと思います。彼の特徴である細めの「奥目」が効を奏して非常に可愛いいのです。いつものモテる二枚目役ではなく、ちょっと情けない感じの役がピッタリでした。
すっかりジョシュの事を見直したので、彼の別の映画「ラッキナンバー7」(ブルース・ウィリス、ルーシー・リュウと共演している、ポスターだけ見ると「オーシャンズ11」みたい・・)もDVDが出たらチェックしてみようかしらと思っています。

モーツァルトとクジラ
MOZART & THE WHALE
監督:ピーター・ネス 
製作・脚本:ロナルド・バス 
出演:ジョシュ・ハートネット、ラダ・ミッチェル、ゲーリー・コール、ジョン・キャロル・リンチ、アレン・エヴァンジェリスタ、シーラ・ケリー 
2004年 アメリカ
[c@gNW.jpg
<あらすじと感想>
舞台はアメリカ。アスペルガー症候群と呼ばれる知的障害のない自閉症のドナルド(ジョシュ)は、数字が気になって仕方ない。
タクシー運転手として働いているが、車のメータや時計などの数字に気をとられてしまい事故を起こし、ついに最後のタクシー会社もクビになってしまった。
一方、障害を抱えるものの孤独を良く知っている彼は、同じ病気が原因で社会との関係や孤独に悩む人達の集まりを主宰し定期的に会合を開いていた。
ある日彼のサークルにチャーミングな女性がやって来た。
彼女の名はイザベラ、美容師として自立し、動物好きで、絵や音楽の才能に秀でている魅力的な女性。
しかし彼女もアスペルガー症候群が原因で世間から「相当な変わり者」と見做されるような言動をする子だった。
やがて2人は恋に落ちるのだが・・・。
恋に不器用なドナルドの様子がとてもいじらしいです。
ジョシュは演技力を上げたようです。

映画を見ながら、エキセントリックな言動について考えてしまった。
確かにイザベラやドナルドはエキセントリックだが、自分で正常と思っている人の中にだってあの位の言動をする「ちょっと面倒な人」は結構存在する。アスペルガー症候群という病気の人と正常な人との線引きってどこで行うんだろう?
この映画の主人公のモデルとなった人物は映画「レインマン」を見て「僕はもしやこの病気では?」と気が付いたといいます。一人一人症状が違う自閉症を認識し、理解するのは本当に難しい事なんだなと思いました。

時々自分でもびっくりする程、イライラしたり、泣きたくなったりする私は正常なんだろうか?
何が正常で、何が異常って誰が決めるのだろうか?なんて考えてしまう一方、生命力に溢れるイザベラとシャイなドナルドとの恋物語として楽しめる映画です。
けっして眉間に皺寄せて見る社会派な映画じゃありませんので、ご安心ください。
posted by Chica at 03:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月27日

第79回アカデミー賞受賞結果発表!

今年はなんと49年ぶりで日本人女優、菊地凛子さんがアカデミー賞にノミネートされたことで、日本のマスコミでもアカデミー賞に対する注目度が高く、昨晩のニュースでも結果やインタビューが放映されていましたね。
kikuchi.jpg
という訳で、映画ファンが注目するアカデミー賞の授賞式が2月25日(日本時間26日)開催され、受賞者が発表されました。
受賞結果速報です!
映画鑑賞の参考になれば幸いです。

主要部門受賞一覧
 
★作品賞→ ディパーテッド

Babel/バベル
硫黄島からの手紙
リトル・ミス・サンシャイン
クイーン

★主演男優賞→ フォレスト・ウィテカー(The Last King of Scotland)

レオナルド・ディカプリオ(Blood Diamond)
ライアン・ゴズリング(ハーフ・ネルソン)
ピーター・オトゥール(ヴィーナス)
ウィル・スミス(幸せのちから)

★主演女優賞→ ヘレン・ミレン(クイーン)

ペネロペ・クルス(ボルベール)
ジュディ・デンチ(あるスキャンダルの覚え書き)
メリル・ストリープ(プラダを着た悪魔)
ケイト・ウィンスレット(リトル・チルドレン)

★助演男優賞→ アラン・アーキン(リトル・ミス・サンシャイン)
→このおじいちゃんの役最高でした!

ジャッキー・アール・ヘイリー(リトル・チルドレン)
ジャイモン・ハンスゥ(ブラッド・ダイヤモンド)
エディ・マーフィ(ドリームガールズ)
マーク・ウォルバーグ(ディパーテッド)

★助演女優賞→ ジェニファー・ハドソン(ドリームガールズ)
jenifa.jpg
アドリアナ・バラッザ(バベル)
ケイト・ブランシェット(あるスキャンダルの覚え書き)
アビゲイル・ブレスリン(リトル・ミス・サンシャイン)
菊地凛子(バベル)

★監督賞→ マーティン・スコセッシ(ディパーテッド)
やっと取りましたね。長いお預け状態ですっかりイジケテいたスコセッシ監督もこれで悲願達成でしょうか?とても嬉しそうでしたね。やっぱりアカデミー賞欲しかったんですね。
martin.jpg
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バベル)
クリント・イーストウッド(硫黄島からの手紙)
スティーブン・フリアーズ(クイーン)
ポール・グリーングラス(ユナイテッド93)

★長編アニメ賞→ ハッピーフィート
カーズ
モンスター・ハウス

デカプリオの真似をしてエコカーでレッドカーペットに登場したペネロペの出演する「ボルベール」は日本では6月公開だそうで、待ち遠しいです。
公開未定だそうですが、ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェットがノミネートされた映画「あるスキャンダルの覚え書き」と物凄くお爺さんになったピーター・オトゥールが若い女の子と恋に落ちる役者を演じる「ヴィーナス」を見てみたいです。
piter.jpg keito.jpg
posted by Chica at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月26日

DEATH IN VENICE

2月は沢山映画を見ました。本も猛烈に読んでいます。本
今は浮世のあれこれから身を守りたいと願う、現実逃避モードなのかも知れません。三日月
そんな逃避モードにはまるデカダンス映画のDVDを見ました。
カチンコ
大好きなルキノ・ヴィスコンティ監督が、作曲家グスタフ・マーラーをモデルにしたといわれているトーマス・マンの短編小説を映画化したあまりにも有名な作品です
ヴィスコンティ監督作品の中でもCHICAはこの映画はあまり好みではありませんが、それでも3回は見ています。
ヴィスコンティ監督が描き出す華やかな貴族的&退廃的な雰囲気が好きなのです、彼のデカダンスは本物です。夜

ベニスに死す
DEATH IN VENICE
制作・監督:ルキノ・ヴィスコンティ
原作:トーマス・マン
音楽:グスタフ・マーラー(交響曲第三番・第五番)
美術:フェルディナンド・スカルフィオッティ
出演:ダーク・ボガード、シルバーナ・マンガーノ、ビヨルン・アンドレセン、ロモロ・ヴァリ、ニコラ・バダルッコ
1971年 イタリア・フランス

<あらすじと感想>
静養のため水の都ベニスに来たドイツの大作曲家アッシェンバッハは、滞在先のホテルでふと見かけた美しいポーランド貴族の少年タッジオに心を奪われる。ハートたち(複数ハート)
その14歳の少年の美しさは、まさに彼が長い間求めていた精神的な美と官能的な美との完全な結合を体現しているかのようだた・・・
ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)
少年に対する密かな恋心、少年のしぐさ、眼差しの一つ一つに歓喜と絶望を覚える老作曲家の心情をマーラーの「交響曲第5番」第4楽章 アダージェットにのせて描き出した映画。

単なるおじさんの偏愛のお話・・・と言ってしまえばそれまでですが、前述した通り「貴族の生活を描かせたら天下一品」のヴィスコンティ監督ですので、そこは上品かつ冷酷な御伽噺となっております。
リゾート
美少年タッジオは原作によると「青白く優雅にうちとけない顔は蜂蜜色の髪にとりかこまれ、鼻は額からまっすぐ通り、口元は愛らしく、優しい神々しい真面目さがあって、ギリシア最盛期の彫刻作品を思わせた」とあります。
その美貌を実際に兼ね備えたのがビヨルン・アンドレセン君でした。
彼の美しさは映画にリアリティとファンタジィをもたらします。
さすがヴィスコンティが選んだ少年だけあります。かわいい
venice2.jpg
人の美しさが人生のすべてを司れるものであると言うこと、たったひとつの眼差しや微笑で人は絶望したり、希望に満ちたりしてしまうのです。
無垢なる美の残酷さを年老いた作曲家とのコントラストで華麗に表現し、中世の姿を色濃く残す美しい水の都ベニスにコレラの影を落とす・・・うっとりと恍惚の中にいながらも死と隣り合わせ・・・この残酷さ加減もヴィスコンティ監督ならではです。
美しく儚く、無常な映画です。映画 ぴかぴか(新しい)
posted by Chica at 03:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

ドリームガールズ

トニー賞で6部門を受賞した伝説のブロードウェイミュージカルを映画化、主演は元ディスチャのビヨンセ!ということでロードショーされるのをずっと楽しみにしていた映画を早速初日に見てきました!!

ドリームガールズ
Dreamgirls
監督・脚本 ビル・コンドン
音楽:ヘンリー・キリエガー
衣装:シャレン・デイビス
出演 ジェイミー・フォックス 、ビヨンセ・ノウルズ 、エディ・マーフィ 、ジェニファー・ハドソン 、アニカ・ノニ・ローズ 、ダニー・グローヴァー
2006年 米
h[K[Y.jpg
<あらすじと感想>
舞台は1962年のデトロイト。歌手としての成功を夢見る3人娘、エフィー(ジェニファー・ハドソン)、ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、ローレルは毎夜クラブのオーディションを受ける日々を送っていた。
ある日、車のディーラーが本業だがエンタテイメント界で一花咲かせたいと思っている男カーティス(ジェイミー・フォックス)が彼女達に目を付け、デトロイトで大人気のスター、ジミー(エディ・マーフィ)のバックコーラスの仕事を取り付ける。
黒人R&B界のスタージミーのバックコーラスというチャンスを掴んだ3人は、ジミーのツアーに参加、バックコーラスをしながらデビューのチャンスを待っていた。
1960年代、音楽界はビートルズが不良と呼ばれたり、プレスリーのダンスが卑猥と言われる程、お堅い白人中心の価値観が支配していたので、黒人歌手が活躍出来る場は限られており、あのサミー・デイビス・ジュニアでさえもハリウッドではショーが出来ないと言われていたそうです。
そんな時代、野心に燃えるカーティスは3人娘を全米に(白人社会にも)通用するグループ「ドリームガールズ」としてデビューさせた。その為にソウルフルな歌唱力ではなくルックスや軽いビートを重視し、従来黒人の間でウケていたR&Bとは違ったPOPS色を強く打ち出した。カーティスの狙い的中し、彼女たちは白人世界にも認められ、次々にヒット曲を放つアイドルスターの仲間入りを果たしたのだったが・・・

映画で惜しみなく披露される彼女達のファッションは今でもキュート、現代のファッションアイコンでもあるビヨンセの魅力が花開いており、とても魅力的です。
映画を見ていてドリームガールズのモデルでもあるシュープリームスが当時どれだけ画期的な女性ヴォーカルグループだったのかと言う事を映画を見て思い知りました。
彼女達はまさに時代の寵児、ダイアナ・ロスはヴォーグなどを飾るファッションアイコンそのものだったのですね。
小さい頃にダイアナ・ロスを見て「あのおばさんは、なんであんなに自信満々なんだろう?」といつも疑問に思っていたものですが、この映画を見て彼女が主人公ディーナのように扱われていたアイドルだったならば、持っていて当然の自信だと思いました。
ロスさん、知らなくてすみませんでした。
もっと自慢してくださって結構ですよ・・・。

他に映画を見ていて感心したのは、アカデミー賞候補にもなったエフィー役のジェニファー・ハドソン。素晴らしい歌唱力と迫力の存在感で一躍有名になりましたね。
そして、エディー・マーフィが意外に歌が上手いというのも驚きでした。
コテコテの大スター役をこれでもかというくらい熱く演じており、楽しかったです。
エディー・マーフィは今後もこういう味のある脇役を演じると良いのではと思いました。

ドリームガールズの夢のショーは大画面で見ることをお薦めします。華やかでファッショナブルなショーはやはり映画館で見て欲しいな。
posted by Chica at 03:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月17日

それでもボクはやってない

周防監督11年ぶりの作品ということで、邦画を(わざわざ)映画館に見に行きました。カチンコ
前作Shall We ダンス?はテレビで見ましたが結構楽しかったですし、ハリウッドでもリチャード・ギア様&ジェニファー・ロペス女王様の主演でリメイクされ話題になりましたね。
映画
それでもボクはやってない
監督・脚本: 周防正行
音楽: 周防義和
キャスト 加瀬亮 、瀬戸朝香 、山本耕史 、もたいまさこ 、小日向文世、役所広司
2006年 日本
   船
<あらすじと感想>
舞台は日本、フリーターの金子徹平(加瀬亮)は就職面接の為、朝の通勤ラッシュの電車に乗り込んだ。
下車した駅で女子中学生から「痴漢」と言われてしまう。
身に覚えのない金子は話せば分かってもらえると思い、大人しく駅の事務室に行ったが、彼の主張は全く聞き入れられず「痴漢」として警察に連行されてしまう。
取り調べでも頑なに「無罪」を訴える金子は、その日から留置所暮らし、ついには告訴され裁判で無実を訴える戦いが始まったのだった。

まったくフツーの青年が身の潔白を証明する為にどれだけ苦労しなければならないのかを知り、恐ろしく思いました。がく〜(落胆した顔)
日本の警察の取調べ、供述書の実態や、裁判制度の問題点が浮き彫りになればなる程、日本で何かの犯人と容疑をかけられてしまったら、本当は無罪であろうと「もうオシマイであるに等しい」と言うことを知ると虚脱感さえ覚えます。
現代の日本における「裁判」の現実を知るにつけ公明正大という言葉の虚しさを感じるのは私だけではないはずです。
  ビル
日本人の無気力・無関心が日本の政治や司法をダメにしているんだろうなぁ。
大勢を動かすことは容易ではないと思ってしまう無力感がイケないんだろうなぁ・・・と考えてしまう映画です。

ところで、この映画のクレジットにフジテレビのプロデューサー亀山千広さんのお名前が載っていました。フジテレビの人気ドラマを映画化し、現在の邦画ブームの火付け役となった辣腕プロデューサーの亀山氏、日本映画界では重鎮中の重鎮なのでしょうね。
ふーん。ふくろ
posted by Chica at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月16日

あなたになら言える秘密のこと

「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コヘット監督と主演女優のサラ・ポーリーが再び手を組んだ感動の映画と聞いて、先日この映画を見る為に初めて六本木ヒルズにあるTOHOシネマズに行って来ました。
六本木らしく夜遅い上映もあるのが特徴の、なかなかお洒落なシネコンでした。

あなたになら言える秘密のこと
The secret life of words
監督・脚本イザベル・コヘット
総監督:ペドロ・アルモドバルほか
出演:サラ・ポーリー、ティム・ロビンス、ハビエル・カマラ、レオノール・ワトリング
2005年スペイン

あなたになら言える秘密のこと.jpg
<あらすじと感想>
ハンナ(サラ・ポーリー)は誰にも話せない過去の秘密を抱え、家と工場を往復するだけの単調で孤独な毎日を送っていた。
ハンナは世間と自分の関係を遮断した状態で生活している。
ある日上司から1ヵ月の休暇を取るように命じられハンナは仕方なく旅に出ることに。
何の目的も無く訪れたのは寒々とした港町。
そこで偶然、油田採掘現場の事故で火傷を負い一時的に視力を失っている男を看護することになる。

旅行といってもただ家を出てきただけだったし、時間を持て余していたし、あまり多くの人に会わなくてすみそうだからと言う理由でやって来た無口なハンナ。
彼女が担当する患者のジョセフ(ティム・ロビンス)は、すぐには病院に運び込めない程の大怪我にもかかわらず、饒舌でユーモアに満ち溢れていた。

海の上での隔離された環境の中、ハンナはそれぞれに孤独を背負った油田採掘所の風変わりな男たちに少しずつ打解けて行く。彼らは彼女の孤独を感じ取り、詮索することなくほっておいてくれる優しさを持っているのだった。

そしてジョゼフを陸の病院へ搬送する前日、ハンナは心の底に封印していた秘密をジョゼフに語りはじめた・・・。

とても若い女性の1人暮らしとは思えない質素な部屋にひっそりと住み、食べ物にも無頓着、時間をつぶす目的で刺繍をする、生まれつきではないけれど耳が不自由、異常なまでに清潔好き、友達を作ろうとしない・・・こんなハンナをサラ・ポーリーが自然に演じています。
特に大げさな表現が無いので、よりリアルに彼女の抱える孤独と秘密が浮き彫りにされます。
ティム・ロビンスもすっかりメタボな体になってしまいましたが、その語り口は魅力的で、とても素敵なジョゼフ役でした。
きっとあの状況ではハンナでなくとも彼に惹かれるでしょう。
女性と違って男性の魅力は若さや外見ではないんだよなーとつくづく感心しました。
ラスト近くのクライマックスの、ハンナの独白シーンで、彼女の抱えた秘密の大きさに動揺するのはきっとジョゼフだけではありません。考えさせらる事が多い映画です。
最後に、時折聞こえていた小さな女の子の「声」が誰の声であったかもわかるハズです。
私の今年のテーマでもある「再生」をテーマにした良い映画でした。
posted by Chica at 00:54| Comment(3) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。