2007年10月17日

ラベンダーの咲く庭で

丁度この映画が公開されたころ、世間でもイギリスの海岸でずぶぬれの黒いタキシード姿で見つかった記憶喪失の男性が「沈黙のピアニスト」として注目を集めていたのを思い出します。
この映画は完全にあのニュースとダブってしまいましたが、現実よりも映画の方がずっと切なくて良いお話なんです。

ラベンダーの咲く庭で
LADIES IN LAVENDER

監督 チャールズ・ダンス
原作 ウィリアム・J・ロック
脚本 チャールズ・ダンス
音楽 ナイジェル・ヘス
出演:ジュディ・デンチ 、マギー・スミス 、ダニエル・ブリュール 、ナターシャ・マケルホーン 、ミリアム・マーゴリーズ
2004年 イギリス

LADIESinLAVENDER.jpg
<あらすじと感想>
舞台は1936年のイギリスはコーンウォール地方。
ジャネット(マギー・スミス)とアーシュラ(ジュディ・デンチ)はオールドミスの老姉妹。
自然に溢れた町の浜辺に近い家にひっそりとくらしていた。ある嵐の翌日、アーシュラは1人の若者が浜辺に打ち上げられているのを発見する。
英語の話せない外国人のアンドレア(ダニエル・ブリュール)と名乗る若者を、姉妹は競って看病する。この時の姉妹の一生懸命な様子は微笑ましいくらいです。
突然の若い被保護者の出現は彼女達の生活に活気と潤いを与えたのです。
特に第一発見者であるアーシュラは、ひと目見た時からこの孫ほどにも年の違う青年に魅かれていました。
看病し、英語を教えているうちに、叶わぬ思いとは承知していても、どんどん募っていく気持ちを抑えることは出来ませんでした。
アンドレアのちょっとした態度に一喜一憂し、姉のジャネットに嫉妬するアーシュラの様子はまるでティーンエイジャーの少女のようで、若い男の子をあまりにも熱心に恋する姿は少々不気味でもありました。
そのくらい真に迫っているジュディ・デンチの演技力は確かでした。(だからかも知れませんが、私はしっかり者の姉のジャネットに共感を持ちました。きっとそれもデンチの演技力ゆえでしょう)

平凡で静かな彼女達の生活をアンドレアが楽しく刺激のあるものに変化させてくれたのも束の間、若い将来のある彼をいつまでもちいさな籠に入れておくわけにはいかないのです。
ヴァイオリンの才能があると近所でも評判になったアンドレアは、この町に観光に来ていた美貌の若手女性画家にその才能を見出されます。
そして彼女の勧めにより、彼はお世話になった老姉妹に別れを告げずにロンドンへ、彼の未来へ向けてアンドレアは旅立ってしまいました。
旅立ちの時はあまりにも突然やって来たのでした。

彼が出て行ってしまってからら訪れた冬のある日、ロンドンから一通の手紙が届く。
そこにはロンドンでアンドレアがデビュー・コンサートを行う知らせと、黙って出て行ったことに対しての謝罪が記されていた。
コンサートの当日、アーシュラとジャネットはロンドンにいた。
彼女達の庭で奏でられていたあの美しい調べをもう一度聴くために・・・。

人生は後戻りできず、恋には時期がある。
しっかり者の姉ジャネットと恋する乙女のようなアーシュラ、2人の老女の楽しい時間は過ぎ、またもとの静かな生活が繰り返される。
人生のちょっとした甘酸っぱさを感じるお話でした。
posted by Chica at 01:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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